鈴木一史 代表取締役 / 左官職人

現場の土を、愛すべき土壁へ。中田製作所×左菊のワークショップ

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現場の土を、愛すべき土壁へ。中田製作所×左菊のワークショップ

建設残土は「厄介者」ではなく、その土地の「記憶」

今回は逗子市にあります(株)中田製作所様からのご依頼。
「建設現場で発生した土を、そのまま壁にできませんか?」
始まりは、そんな突拍子もないご相談でした。
処分されるはずの建設残土。
移動するたびにコストもかさみ「厄介者」とされがちです。
ですが、その発生土を壁にしてしまうことで、循環型建築の一端になろうという仮定の元、今回のプロジェクトを発案されました。
土壁以外にのも、解体された材木や板金、型枠材など再利用を進めサーキュラーエコノミー(循環型経済)へ推し進めていくものであります。

まずは現場土を使って本当に壁ができるのかどうか?
最初に拝見した現場土は、触ってみると粘土分が少なそうだ。
現場の土に、粘性のある粘土をミックスすることを提案いたしました。
その配合をどのくらいの割合にして、どこまで固くするか?
テストピースを作って協議しました。

現場土と粘土の配合比率を変えてテストピースを作る

なるべく現場の土を使いたいね。。。。

どのくらいの水の量で溶けてしまうかな。。。。

今回は外壁に使うので、雨がかかることも想定してどのくらいで水に溶けるか?その他にもテストピースを落下させて

どのくらいの強度にするか?を決定しました。

今回の下地は竹ではなくて、木摺り下地。

木と木の隙間に土をめり込ませながら塗っていきます

現場の状況に応じて、最適な材料になるように工夫をします。

木と木の隙間にも土が入りやすいように、藁の長さをいつもよりちょっと短く、そして短くする分多めに入れて施工することが決定しました。

さあ、準備が整いました!

 

安心できる素材は自分の手で確かめる。

ということで、ワークショップの開催となりました。
中田製作所様のお仲間?ものづくりコミュニティーの皆さんがメインとなって参加くださいました。
普段から、中田さんの現場で実際に手を動かして作ることを体験されているようで、みなさん作業がとてもスムーズでした。

中田製作所、代表中田さんの趣旨説明

左官屋の私の作業内容の説明。ご安全に!

現場の土のふるい分け

網に投げつけて大きなものを除く

藁を細かく。ご安全に!

ミキサーで攪拌

みんなで塗る塗る!

ひたすら塗る

やめろと言われても塗るw

土に触れるとなんでこんなに笑ってしまうんだろう?www

みなさん夢中になって塗りまくり、そしてなんか知らないけど
笑ってしまいますよね。泥遊び。
本来絶えず触れているはずの大地との再接触に、心の底からの安心感と喜びが溢れてしまうのだと私は思います。

自分が触れて心地よいという直感こそが、化学物質に頼らない本物の品質

家づくりの相談で、安心できる素材と確かな技術を求める方が多いです。
でもいくら言葉で説明しても、数値で表しても最終的な判断材料にはならないんですよね。
「なんか心地いい」「気持ちい肌触り」「いつまでも触れていたい」
そう直感的に思えるものが本物だと。
情報より自分の直感こそが一番の判断材料なわけです。
実際にこうやって触れていることであふれる喜びだとか、心地よさは情報とか人のアドバイスで判断するのではなく、

 

”自分の直感こそが一番のエビデンス”

 

になるわけです。さぁ、みなさんも是非体験してみましょう。

笑顔と笑い声が、豊かな空間を完成させる最後のピース

建築の現場と一言で言っても、様々なシチュエーションがあります。
たとえば崇拝する場であったり、陰影を楽しむしっとりとした空間であったり。その場所によっては研ぎ澄まされた精神で臨む場もあります。
ですが、こういった住まいやコミュニティスペースなどの豊かな空間は、やはり豊かな心持が必要不可欠です。
みんなで話しながら作る建築の魅力は仕上がりにも現れます。
おおらかで楽しい表情が壁に現れますし、それこそ手で触れてみたいやさしさに包まれた空間が生まれます。

これは職人が狙ってもできない事かも知れません。笑い声や楽しい雰囲気も豊かな住まい頭突きには大切な要素だなと思います。
こうやってみんなで作った壁は職人が作る均一な美しい壁とは言えないまでも、手の「跡」や「笑い声」も壁に刻まれる、豊かな壁が出来上がります。

それは、家が単なる「箱」からみんなの「居場所」になる瞬間でもあるのです。

創意工夫の種をまく

子ども達にとって、土を塗る。なんて体験は一体何のことなのか?という不思議体験になっているのかもしれませんね。
以前、農園レストランでその土地にある土で壁を作ったときに、「どうやって土って固まるんですか?何か混ぜるんですか?」と
もはや土が固まるということすら、不思議現象になっているのかもしれません。
地域の都市化こそ豊かさの象徴であったので、致し方ないですよね。

 

私の住む町はまだ畑とか土がそこら中にあるので良い方ですが、都市部へ行くと土と触れあることの難しさ。
そこに「土でモノづくりしてます」「土壁塗ってます。言ってもなんのことやらさっぱり結びついてこないのかも知れない。

 

そんなことを危惧して、子ども達にはものづくりの楽しさとか驚きとか、発見を体験してほしいのです。
土が固まってカタチをなして、水に濡れれば元の土に戻る。
このサイクルの凄さにただただ面白がってほしい。
そして、この感触の心地よさ。ちょっとヒヤッと冷たく、だけどなんか安心できる。
なんか触っても良さそう。気持ちいい。

そんな体験をしてもらって、自分のエネルギーでカタチを生む。
そうやって作ったモノが、「真に安心できて愛着の湧く基準」として備えてほしいと思います。

土のモノづくりを通じて、次世代に手渡したいもの

スマホで検索する、AIに聞いてみる。
否定はしないけどそれらの行為は、モノをつくるというクリエイションの前提の上にあったら良いなと思うのです。
身の回りにあるものを使って、より快適にする創意工夫。
その中にスマホやAIが教えてくれる情報があるだけで、答えは自分の体験の中にしかない。
何が安全で、何が豊かなのか?
子どもの頃の遊びの中でその基準の核を見つけてくれたら嬉しいです。

最後に中田製作所のスタッフについて

代表の中田さんをはじめ、みな若い。
設計という頭を使うお仕事と体を使う現場もこなす
スーパーマンのようなチーム。
「ともに”つくる”建築設計事務所」というコンセプトのもと
施主さんも設計もみんなでチーム。
家づくりをプロジェクトと位置付けて、そのプロジェクトを成功させる仲間としてフラットな関係を築きながら進めていく。
昭和、平成、令和と駆け抜けて来た私には最初はピンとこなかったですが、
一緒に体験してようやくわかりました。
モノづくりの核の部分をみんなで共有しようということだと。
非常に、エネルギッシュなチームです。
このような機会を頂きありがとうございました。
是非、またやりましょう!

最後にみんなで。お疲れ様でした。

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左菊は初代から数えると、代々100年余続く左官一家。
現在は5代目左菊である鈴木一史が親方兼代表取締役、弟鈴木善也と共に、100年残る仕事を通じ、仕事を「残す」だけでなく、100年後の技術と職人を「つなぐ」ために、日々左官の仕事に向き合っています。

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Industry

私たちにできることは、そこに住まう人の落ち着きと安らぎと共にその仕事が100年を超えて残る、そんな想いで住まいや空間を創ろうとすることだけです。
左官屋だけでは、本物の仕事は残せない。
ぜひ、ご一 緒させていただけると嬉しい限りです。

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